交流分析入門3 ~エゴグラムの見方~
井戸端会議の極意
十人十色:
「人は好み・性格・姿など様々で多様であることのたとえ」
皆さん、こんにちわ。皆さんも「十人十色」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。
簡単に言ってしまえば"いろんな人がいる"ってことでしょうか。でも、いわゆる「性格の違い」ってなんなんでしょうねぇ。
ちなみに私は良く「変わった人だ」と言われますが…。
交流分析ではこの性格の違いを「自我状態のバランス」で
捉えています。もしかしたら皆さんの中にも『エゴグラム』という
テストを知っている方がいらっしゃるかもしれません。
このエゴグラムとは、私たちの自我状態を5つの反応パターンに分類し、
そのエネルギー配分をグラ フ化することで、その人の性格のクセを捉える、
といったものです(今回は紙面の関係で簡単にしかご案内出来ませんが、
これについてはまた後ほど詳しく紹介 したいと思います)。
では、その5つをざっとご紹介しましょう。
1つめは「厳しさ」(CP)です。
これは皆さんの中の良心や道徳観念、
ルール・秩序を守ろうとする部分です。ここが強い人は責任感も強く、統率力もあります。
上司に一人欲しい気がしますが、しかし、この部分が強くなりすぎると、
自分の価値観を押し付け、価値観から 外れて しまう人を批判・排除してしまう傾向が強くなります。
いわゆる「ワンマンタイプ」といった感じでしょうか。
2つめは「優しさ」(NP)です。
これは皆さんの中の受容・共感、面倒を見る、寛大な心を示す部分です。
ここの 働きが強い人は心が広く、他の人の面倒をよく見ます。
優しいお母さんといったイメージでしょうか。
しかし、この部分が強くなりすぎると過干渉・過保護にな る傾向があります。
「小さな親切、大きなお世話」という言葉の通り、いわゆる「世話焼きオバちゃん」といったところでしょうか。
3つめは「客観性」(A)です。
これは皆さんの中で情報を収集する、物事を論理的・客観的に捉える、
事実に基づ いて判 断を下す、などといった働きを示す部分です。
ここの働きが強い人は冷静に事実を見極め、計画的に物事を進めるのが得意だったりします。
しかし、ここの働き が強すぎると、何でもかんでも事実に基づいて客観的に考えるので
「機械人間」とか「冷たい人」という印象を与えることが多くなります。
4つめは「素直な感情表現」(FC)です。
これは、皆さんの中で自分の中の欲求や気持ちを素直に表現したり、
気分転換を上手に行う部分です。
ここの働きが強い人は明るく楽しく、自分の気持ちを素直に表現するのが得意です。
しかし、この働きが強すぎる人は何でもかんでも自分の気持ちを中心にして
行動してしまうため「わがまま」とか「軽率な人」という印象を周囲に与えてしまうことがあります。
5つめは「協調性」(AC)です。
ここは自分の気持ちを抑え、その場の状況を読み取って周囲に合わせる部分です。
ここの働きが強い人は忍耐強く、協調性があります。
しかし、この部分が強すぎると、自分の気持ちを抑えすぎてストレスを溜め込むことや、
周囲の人に 「根暗な人」という印象を与えてしまうことが多くなります。
では、これを基に日常生活をのぞいてみましょう。
若かりし頃、友人たち5人と遊園地に行ったことがあります。
出かけたのはもちろん、某都にあるYランド。
当時では日本でトップレベルのジェットコースター があり、それに乗るのが目的でした。
私たちは園内に入るや否やジェットコースター乗り場に並びました。その時のひと場面です。
A:「このジェットコースターは少し前まで落差や長さ、早さが日本一だったのさ」
B:「わぁ~!楽しみ!早く順番回って来ないかな!C、お前もそうだろう??」
C:「う、うん…(実はちょっと絶叫マシン系は苦手…)」
D:「さっきまであんなにへばっていたのに、そんなにはしゃいで大丈夫?」
E:「ほらほら!ちゃんと並べよ!他の人に迷惑だろ!」
こんなやりとりを繰り返しながら私たちはジェットコースターの順番を待っていました…。ここで大切なのは私がAからEのどれかということではなく「どのパターンに該当するか」です。
A君は情報中心の「A」が働いていて、
B君は「FC」 が働いていてこの状況を楽しんでいますね。
C君はそんなB君に本音が言えず、引っ張られていますね。これは「AC」の働きです。
D君は「NP」で他のメンバーを 気にかけ、
その一方でE君がはしゃぐ他のメンバーを「CP」から叱りつけています。
皆さんの予想通りでしたでしょうか??
最初にも申し上げましたが、人の性格は十人十色です。学校であれ職場であれ、
そこに所属している人数の数だけ異なった自我状態のパターンが存在しま す。
そういった環境の中で上手に適応していくには、自分自身の自我状態パターンだけでなく、
自分がよく関わる人の自我状態パターンも把握しておく必要があると思 います。
これを機に、皆さんが5つのうちどこの働きが強いのか、
少し振り返ってみてはいかがでしょうか。
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では、また次回。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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