交流分析と人生脚本~人生の転機に影響を与える人生脚本とは~
敗者の脚本には注意が必要
皆さん、こんにちは。
前回は『人生脚本』について触れました。
私たちは幼い頃、周囲からの影響を受け、
自分の歩むべき人生のあらすじを作り上げるとされています。
私たちはその後の生活の中で、この自分で作り上げた
ストーリーに基づいて対人交流を図り、
自分の書いたストーリーの正当性を強化していきます。
そして、最終的には自分が想い描いた結末へと
進んでいくとされています。
脚本には、
自己実現へと向かう『勝者の脚本』
悲劇的な結果に終わることが多い『敗者の脚本』
失敗もしないが成功もしない『平凡な脚本』
の3種類があ り、私たちはこの3種類の脚本を
それぞれ持ち合わせいると考えられています。
さて今回は『人生脚本』についてもう少しお話をしていきたいと思います。
『人生脚本』を書かない人はいません。
これは言わば“自分や世間に対する価値観の集合体と
それに対する反応”のようなものですから、
誰しも持ち合わせています。
しかし、書いた脚本が全て発動する訳ではありません。
もし必ず発動するのであれば、世界はもっと大変なことになるでしょう。
実は『人生脚本』は私たちの実 際の人生(『人生コース』)のほんの一部分に過ぎません。
しかし、それにも関わらず人生の重要な局面で大きな影響を与えてきます。
例えば“大事な試験の前になると必ず体調を崩す人”や“次こそは幸せになる!
と思って付き合った人が結局はいつもと同じ結果で終わってしまったりする人
”―後者は耳が痛い話ですが…―などは特に『敗者の脚本』の影響を強く受けているかもしれませんね。
このように書いていくと、脚本がすごい迷惑なもののように聞こえてしまいがちですが、
そういうものではありません。この脚本は皆さんが幼い頃の環境を
最も効率良く生き抜くために必要なものだったのです。
つまり脚本自体は悪いものではありません。
・敗者の脚本には注意が必要
多くの脚本はその後の人生の中で修正され書き換えられていきますが、
稀にこの書き換えが起こらない脚本も存在します。
その中で現在の生活に悪影響を及ぼす 脚本が『敗者の脚本』なのです。
もし“同じ失敗を繰り返す”“お馴染みの結果に終わる”
ということか起こるようであれば、それは『敗者の脚本』が幅をきか せているのかもしれません。
脚本―特に『敗者の脚本』とは、言わば時代遅れの戦略です。
江戸時代の地図で現在の東京を旅しても道に迷ってしまいます。
もし、これまでの生活で同じ道に迷うことが多いならば、
一度自分が持っている地図を見直してみても良いかもしれませんね。
それでは、また。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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