交流分析 入門5 ~偏見と思い込みが人間関係を壊す~
偏見が強いとうまくいかない・・無くすには?
偏見
「かたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、
客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断」
思い込み
「深く信じこむこと。また、固く心に決めること」
皆さんこんにちわ。今回は誰しも持っている偏見や思い込みについて交流分析の視点からお話をしようと思います。
ところで皆さんの中に「私には偏見なんて存在しない!」という方はいらっしゃいますか?
たぶんいらっしゃらないと思います(いたらゴメンナサイ)。
実は、この偏見や思い込みというのは誰しも持ち合わせているものだと思います。
例えば私なんかは「茶髪にピアスしている人はみんな不良だ」とか「男はデート費用を負担するものだ」
というふうに思っていましたし、子どもの頃は「どうせ僕はダメな人間なんだ」という感じで自分の
存在価値を40%オフくらいでみていました。
皆さんはどんな偏見や思い込みを抱いていますか?
あ、もしかしたら「偏見と思い込みの区別がつかない!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
簡単に言ってしまうと、「偏見」は主語の規模が大きいも のです。
"世間は―"とか"世の中の人は―""この世は―""渡る世間は―"みたいな感じです。
「思い込み」は逆に主語の規模が小さいです。"私は―"" 彼は―"という感じですね。
そう考えてみるとこの世の中は偏見に満ちた世界なのかもしれません
(ハイ、この考え方も「偏見」かもしれませんね…)。
この見 方でもう一度振り返ってみてください。
交流分析では客観的な判断が偏見や思い込みによって妨害されている状態を
『汚染』と言っています。図で書くと下のような感じですね。
ここで簡単におさらいをしますが、「P」というのは「親の自我状態」で"両親や親代わりだった人たちを
そのまま取り入れた部分"で、「A」は「大人 (成人)の自我状態」で
"まさに「今ここ」で考え、感じ、行動する部分"、「C」は「子どもの自我状態」で皆さんが
"子ども時代の体験がそのまま詰まっている部分" です。
「偏見」とは"先人の価値観(「P」)"によって皆さんの"「今ここ」での価値判断(「A」)"が妨害されている状態です。茶髪でピアスの人でも、 話をしてみるとシッカリした人もいますし、礼儀正しい人もいます。
しかし、「茶髪にピアス」というだけで「不真面目なヤツ」と決めつけてしまう状態ですね。
でも、最初にも申し上げましたが、こういった偏見や思い込みは誰しもが持っているものです。逆にこういった偏見や思い込みが全くない人のほうが珍しいでしょう。
ここで大切になってくるのは、誰しもこういったものを抱いているのですから"自分がどんな「偏見」を持ち、
どんな「思い込み」を抱いているのか、そして、 どういったときに「偏見」や「思い込み」が強くなるのか"です。私たちは普段はきちんと客観的に物事を捉えられていても、置かれる状況によって途端に冷静な判断を
下すことが難しくなることがあります。私なんかは精神的に疲れている(憑かれている?)ときに
「僕はダメだ…」というネガティブな情報を集めやす くなります…。
偏見や思い込みは言い方を変えると認知のクセです。より良い対人関係を構築するには、
まず自分にはどんな認知のクセがあるのか、そのクセが強くなる タイミ ングはどんなときかを
把握しておくことが重要です。皆さんにはどんなクセがあるのか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
また、このコラムを執筆している、私、松本が交流分析講座を開催しています。ぜひお気軽にご参加ください!
交流分析に少しでも興味がある方、お待ちしています(^^)
みなさんの生活に役立つキッカケとなれるよう、一緒になって頑張ります!
では、また。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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