仕事選びとTA-その1-私はこの仕事がしたかったの??
1.まずは入社5年目のOL育子さんの事例を
育子さんは入社5年目のOL。就職氷河期を乗り越え、やっと掴んだ内定。第一希望ではなかったものの、その会社に就職し、新人研修を経て配属された先は営業職。引っ込み思案な自分を奮い立たせ、持ち前の努力でなんとかかんとか乗り越えてきました。まだまだ仕事について分からないことだらけですが、この春から新人の教育係を仰せつかりました。
自分の仕事だけでなく、新人の仕事の面倒まで見なければならなくなった育子さん。最初のころはよかったのですが、段々と行き詰まりを感じ、やがて、仕事のことを考えると動悸がするようになりました。その頃から育子さんは時折、ふと考えるようになってきました。
“私はこの仕事がしたかったの??”
“私の夢は??”
“私の人生っていったい…”
迷いに迷った育子さんは会社を辞め、保育士の資格をとるために専門学校へと通い始めました。
2.『育子さんの事例』皆さんはフィクションだと思いますか?
ご挨拶が遅くなりましたが、講座講師の松本です。
今回は仕事選びとTAというテーマで何回かに分けてお話をしていきたいと思います。
さて、冒頭で紹介した『育子さんの事例』ですが、皆さんはこれをフィクションだと思いますか??
答えは…皆さんの胸に聴いてみて下さい。
“今の仕事が天職だ”
“やりたい仕事に就けた”
“業務内容にやりがいを感じる”
こんなふうに思える方は挙手をお願いします。
…挙がった手の数は同じ講師の川島に数えて頂くとして、私は話を続けたいと思います。
実際に上記のように思える仕事に就けている方はどれくらいいるのでしょうか。
「流れでなんとなく就職してしまった」
「行きたい会社に入ったけど、希望する部署に配属されなかった」
「理想の仕事に就き、希望した仕事内容だが、現実的には自分には合っていなかった」
その理由は様々ですが、いわゆる『適職』から外れてしまった場合、そこにはデメリットが発生します。
私たちは多かれ少なかれ『ストレス』を感じながら仕事をしています。適度なストレスは心地よい刺激となり、心身を良い方向へと導いてくれますが、過剰なストレスは徐々に私たちの心身を蝕みます。
「自分が思い描いていたものと違っても仕事!」
「合わなくても、努力や根性でなんとかしろ!」
「甘えだ!」
という方もいるでしょう。
実際に気合と根性、努力でカバー出来る方もいることでしょう。
しかし、中にはそれをやり過ぎてしまい、メンタルに不調をきたし、仕事を辞めてしまう方も往々にしていることも事実です。
では、どのようにすれば、自分に合った仕事『適職』を探すことが出来るのでしょうか。
実は…「100%これをやれば見つかります!」という方法は恐らくありません。
そこには自分自身が培ってきた“働くこと”に対する価値観や自分や自分を取り囲む世界に対する姿勢、社会的な状況などが複雑に絡み合っているからです。
そこで今回のシリーズでは、少しでも自分に合った仕事を見つけるお手伝いを、TAの視点からしていきたいと思います。
その足掛かりとして、まずは「性格」についてお話をしていきたいと思いますが、時間がきてしまいましたので、また次回。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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