時間の構造化 ~その二~
6つの時間の構造化
皆さん、こんにちは。
さて、前回は「時間の構造化」について触れました。
私たちは日中活動しているときの生活時間を意識的ないし無意識的に計画を立てて日常生活を営んでおり、
このように生活時間の計画を立てることを交流分析では
「時間の構造化」と呼んでいます。
今回はこれについてもう 少し詳しく
お話をしていきたいと思います。
ところで、私たちはどうしてこのような生活時間の構造化を行うのでしょうか。
ここで一つイメージをしていただきたいのですが、
「何もやることもなく、話 し相手もおらず、出掛ける場所もない」…
そんな状況に放り込まれた自分を想像してみてください。
とても退屈な状況です。皆さんは耐えられますか?私は耐え られません。
私たちは刺激を求める生き物です。そのため、刺激が全く無い状況を避けるために、
生活時間をあれこれ構造化すると考えられています。つまり、「時間の構 造化」とは、
個人が効率よく刺激を得るために考え出したある種の術であると捉えることができます。
そのため、どんな構造化の方法を好んで用いるかは、
その人がこれまでにどんな環境で育ってきたかによって変わってきます。
・6つの時間の構造化
「時間の構造化」には以下の6つの方法があるとされており、
私たちは日常生活において常に1つ以上の構造を用いて生 活を送っています。
また、6つの構造にはそれぞれ役に立つ面と役に立たない面があるとされています。
そしてこれらは、気持ち的に危険度が少ないものから、
危険度が高いものへと段階的に説明することができます。
ちょっと難しい言葉が並んでいますが、勉強ですしね!それぞれ見てみましょう!
1.自閉(Withdrawal)
・一人や他人といるとき、心理的に他者を排除して独りになります。
・自分の中だけでストロークを生産するため、一番感情的にリスクをとらない安全な方法です。
・自分の世界に入り込みすぎ、現実から遊離する危険があります。
2.儀式(Rituals)
・決められた作法で予測されたストロークを交換する方法です。
・この形式的なやり取りからストロークを得ている人が多く存在します。
・お互いが深く知り合うことはありません。
3.暇潰し(Passtimes)
・一つの目標を達成しようとせず、単に何かについて話をしている状態です。
・会話のガイドラインに沿って比較的無害な話題を展開し、ストロークの交換を行います。
・これが出来ないとそれ以上の関係に入ることが難しくなります。
・但し、目標がないため、問題解決には向きません。
4.活動(Activities)
・エネルギーが目標達成や課題などに向かった状態です。
・結果に直接ストロークを与えられることが多く、人によっては主要なストローク源となります。
・中には「やり遂げるな」というメッセージに突き動かされている人も存在します。
5.ラケット、ゲーム(Rackets、Games)
・結果が予測される一連の裏面的交流を伴った相補交流のことです。
・密度の濃いストロークを交換出来ます。
・これは自分や他人をNot OKとする交流であり、こじれる人間関係のもととなります。
6.親密さ(Intimacy)
・非常にリスクが大きいが、最も報われることも多い構造化の方法です。
・オープンで正直な信頼関係の中で感情や考え、経験を分かち合える関係です。
・これは最大のストロークを生み出しますが、私たちはそれを予測出来ず、危険を冒すものとして避けようとします。
私たちは以上の6つの構造を用いて日常生活を営んでいます。
どの構造にもポジティブな面とネガティブな面がありますが、
「親密さ」を除き、一つに多くの時間を偏らせている場合は
ネガティブな面が強く現れる可能性が高くなるでしょう。
皆さんはどの構造化のバランスはどのようになっていますか?
これを機に少し 振り返ってみてはいかがでしょうか。
ではまた。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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