仕事選びとTA-その4-エゴグラム良くあるパターンN型
1.頼まれごとをすると、自分のことは二の次三の次にしてもなんとかしてあげたくなってしまう、面倒見の良い育子さん。
育子は入学一年目の専門学生。今日は心理学の授業でエゴグラムをやりました。さて、その結果は…。
成美:ねぇねぇ、育子?どんな感じになった??私はAが一番高かったわ。
育子:どれどれ??あ、本当!私と逆だわ。私はNみたいな形になってる。NPとACが同じくらいに高いわ…。朗子は??
朗子:私はMかなぁ…。NPとNCが高い♪
育子:本当にみんなカタチが違うのねぇ。それぞれどんな特徴があるのかしら…。
育子は解説を読みながら、自分のこれまでの人間関係を振り返っていました。
“困っている人には優しくしてあげなさい”という教えを受けてきた育子は、その通り困っている人を看過することが出来ません。頼まれごとをすると、自分のことは二の次三の次にしてもなんとかしてあげたくなってしまいます。その面倒見の良さからか、彼女はたくさんの友人に囲まれています。しかし、時には何でもかんでも引き受けすぎて疲れてしまうこともしばしばでした。
育子:この長所と短所、まさに私のまんまだわ…。
2.N型の育子さんのタイプについて解説!
こんにちは。講師の松本です。
今回から数回に分けて、エゴグラムで良く見られるパターンについて解説をしていきたいと思います。
さて、まずは育子さんのパターンについて解説をしていきましょう。
前述したとおり、育子さんのパターンは「N型」と呼ばれるパターンです。
「NP(Nurturing Parent;養育的な親)」と「AC(Adapted Child;適応した子ども)」が同等に高くなっているパターンです。「RC」を除いた5つで見た際に「N」の形になっているんが特徴です。「NP」の優しくて面倒見が良い部分と「AC」の協調性、気遣い屋さんんなところが合わさったタイプです。
長所としては、「人当たりが柔らかい」「面倒見がいい」「人を支える」「協調的」「優しい」という特徴がみられます。
また、短所としては、「過干渉・過保護」「自己犠牲的」といった特徴がみられます。
「察する」文化である日本においては、このタイプの人が非常に多いように思います。ちなみに、調査の結果を平均した場合も育子さんのような形になりました。
この「N」型は援助職(介護職、看護師etc.)に多いタイプになっています。
相手のニーズを聞き取り、気持ちに寄り添っていく…そのためには、自分を出し過ぎず、お話しを聞いていくことが必要になるのかもしれません。
また、同じ「N」の形をしていても、「NP」が高いのか、「A」が高いのかによってもちょっとした違いが見られます。
「A」が優位の場合は、頼まれた仕事は断らず、もくもくとこなす、働き手としては優秀な傾向が考えられますが、裏を返せば“イエスマン”になりやすい可能性も考えられます。
他のエゴグラムのタイプにも言えることですが、いずれのタイプにしても長所と短所があります。大切なのは、自分にはどういった長所短所があり、それが現在の自分にどんな影響を及ぼしているのかを把握することにあると思います。
次回は朗子さんのタイプについて解説したいと思います。
それではまた次回。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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