交流分析 入門4~「エゴグラムの見方 発展」~
交流分析とエゴグラム
皆さん、こんにちわ。寒暖の差が激しい今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
実は私、コラム以外にもたまに交流分析の講座を開催させて頂いておりますが、その中で「エゴグラム」の読み方について質問を受けることが多々ありました。なので、今回は簡単なエゴグラムの読み方についてお話をしていこうかと思います。
おさらいではありますが、交流分析では“性格”の違いを「自我状態のバランス」で捉えています。
「エゴグラム」とは、私たちの自我状態を5つの反応パターンに分類し、
そのエネルギー配分をグラフ化することで、その人の性格のクセを捉える、
といったものです。
では、その5つをざっとご紹介しましょう。
1つめは「CP」、簡単に言えば「厳しさ」です。
これは皆さんの中の良心や道徳観念、ルール・秩序を守ろうとする部分です。
ここが強い人は責任感も強く、統率力もあります。
上司に一人欲しい気がしま すが、しかし、この部分が強くなりすぎると、
自分の価値観を押し付け、価値観から外れてしまう人を批判・排除してしまう傾向が強くなります。
いわゆる「ワ ンマンタイプ」といった感じでしょうか。
2つめは「NP」、簡単に言えば「優しさ」です。
これは皆さんの中の受容・共感、面倒を見る、寛大な心を示す部分です。
ここの働きが強い人は心が広く、他の人の面倒をよく見ます。
優しいお母さんと いったイメージでしょうか。
しかし、この部分が強くなりすぎると過干渉・過保護になる傾向があります。
「小さな親切、大きなお世話」という言葉の通り、いわゆる「世話焼きオバちゃん」といったところでしょうか。
3つめは「A」、簡単に言えば「客観性」です。
これは皆さんの中で情報を収集する、物事を論理的・客観的に捉える、
事実に基づいて判断を下す、などといった働きを示す部分です。
ここの働きが強い人 は冷静に事実を見極め、計画的に物事を進めるのが得意だったりします。
しかし、ここの働きが強すぎると、何でもかんでも事実に基づいて客観的に考えるので
「機械人間」とか「冷たい人」という印象を与えることが多くなります。
4つめは「FC」、簡単に言えば「素直な感情表現」です。
これは、皆さんの中で自分の中の欲求や気持ちを素直に表現したり、
気分転換を上手に行う部分です。ここの働きが強い人は明るく楽しく、
自分の気持ちを 素直に表現するのが得意です。
しかし、この働きが強すぎる人は何でもかんでも自分の気持ちを中心にして
行動してしまうため「わがまま」とか「軽率な人」と いう印象を周囲に与えてしまうことがあります。
5つめは「AC」、簡単に言えば「協調性」です。
ここは自分の気持ちを抑え、その場の状況を読み取って周囲に合わせる部分です。
ここの働きが強い人は忍耐強く、協調性があります。
しかし、この部分が 強すぎると、自分の気持ちを抑えすぎてストレスを溜め込むことや、
周囲の人に「根暗な人」という印象を与えてしまうことが多くなります。
エゴグラムを読む時のポイントは2つです。
●得点の高い自我状態の長所と短所を把握する
得点が高いということは、普段自分がそこの自我状態を使って反応しやすいということです。
普段使いやすいということは、良いことも悪いこともその自我状態から引き起こされる可能性が
高くなります。自分が使いやすい自我状態の長所と短所を把握しておきましょう。
●得点の低い自我状態の長所と短所を把握する。
得点が低いということは、普段自分がその自我状態を使えていない、ということになります。
つまり、皆さんの弱点となる可能性が高い自我状態です。
もちろん低いなら低いなりに長所もありますが、短所が目立ちやすくなります。
注意点としては、このエゴグラムは“良い・悪い”を判断するものではなく、
あくまでも性格のバランスを見るものです。したがって、得点が高いなら高いなり
に長所・短所が存在しますし、得点が低いなら低いなりに長所と短所が存在します。
なので、得点が低いからダメ、高いから良いという訳ではなく、
“そういう性格特徴がある”といった感じで受け止めていただければと思います。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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