交流分析 入門2 ~自我状態とは?~
「交流分析の自我状態とは?」
さてさて!今回はまず初めに「自我状態」について勉強していきましょう。
「自我」という言葉を皆さん1度はきいたことがあるのではないでしょうか?
ちょっと難しいことばですね。
交流分析では
「感情と経験の首尾一貫したパターンと、
直接それに対応する一定の行動パターンを伴うもの(Berne,E.)」
と定義されています。とは言ってもまだまだ難しいですよね!
例を参考に考えてみましょう!
先日、電車の中でコテを使って髪の毛を巻いている女性を見かけました。最初は「何だ、この人!恥ずかしい…」と思っていたのですが、あまりにも器用に巻いているので「凄いなぁ!」と感心してしまい、最終的にはマジマジと観察してしまいました。
さて、ここで重要なのは
「女性のお化粧スキルがいかに凄かったのか!」ということではなくて
私の中で「3種類の異なった反応が見られた」ということです。
ここでちょっと皆さんの日常生活を振り返ってみて下さい。
"自分"は一人なのに、物事の捉え方が時と場合によって違っていませんか?
その違いが「自我状態」なのです。
「親の自我状態」(P)には皆さんの親御さんや親代わりだった方、皆さんに影響を与えた方の考え方や気持ち、ふるまいがそのまま詰め込まれています。この自我状態にギアが入っていると、親御さんや親代わりの方、皆さんに影響を与えた人と同じように考え、感じ、行動するようになります。
「成人の自我状態」(A)は状況応じた最も適応的な考え方や気持ち、ふるまいを行う部分です。この自我状態にギアが入っていると、これまでの人生経験を基にその状況で最も適切な考えや気持ち、行動を示します。
「子どもの自我状態」(C)には皆さんが実際に子どもの頃に経験した考えや気持ち、ふるまいが詰まっています。この自我状態にギアが入っていると、皆さんが子どもの頃に経験したものと同じように考え、感じ、ふるまいます。
では、この考えを元に私の今朝の風景を見直してみましょう。
「何、この人!恥ずかしい…」(P:親の自我状態)
私の親は「人前ではキチンとしなさい!」と言うことが多く、その為か私の根底には「人前ではキチンとしなければならない」という思いが強く残っています。その影響か、本来おうちで済ませるべきお化粧を人前で行う女性にちょっとイヤ~な感じを受けたのです。
「凄いなぁ!」(C:子どもの自我状態)
しかし、あまりにも器用な女性の髪巻きテクに感心した私は、好奇心に満ちた子どもの頃と同じようにワクワクした気持ちになりました。
「マジマジと観察」(A:大人の自我状態)
最終的に私は「親のスローガン」でもなく「子ども時代のドキドキ感」とも違う、まさにその状況での興味により女性の観察を始めました。
私たちの自我状態はこのように瞬間瞬間で移り変わっており、その移り変わり方には個々人クセがあります。交流分析ではまず、この個人の性格のクセを見直していきます。
次回はこれについてもう少し具体的なお話をしていきたいと思います。
執筆:松本敦 【講座:全5回で学べる‼交流分析講座】
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